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四歳の子供とは思えないその姿に涙が溢れました。
その夜は、二人を真中にして、川の字に布団を敷き、少しでも不安な気持が軽くなるように本を読んだり、子守り歌を口ずさみ乍ら頭を撫でているうちに、やっと眠った。
二人の寝顔を覗くとお互の手はしっかり握り合い眠っている眼尻から涙が滲んでいました。翌日、子供たちは、新しい環境に別れるのが早く他の子供たちに馴れて仲良く遊び、少しは淋しさがまぎれたようです。
数日して、二人の姿が見当たらないので、探していると、石段の方から子供の声がするので、ソウット、近ずくとE子がC子の肩を抱きかかえるようにして、県道を通る車を見ています。
「ネ、お姉ちゃん、お父ちゃん来る」
「わかんない来ないかもね」
「どうして」
こんな会話が聴こえて来ました。しばらくして二人の会話からここに居る訳が分か

 

 

 

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